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光と風と景色が呼応する 森のような家に暮らす
玄関に入ると、優しい木の香りに包まれるT邸。まず驚いたのは、すでに築数年が経過しているという事実です。バリア・フリー工房では、飫肥杉を中心にした木材を、低温かつ音楽を聴かせながらじっくり乾燥させる音響熟成木材を採用。調湿や防菌といった木の特性が損なわれないため、生きた木と暮らすことができます。中には、10年を過ぎても木の香りがする住まいもあるとか。T邸では梁や柱を積極的に現わし、壁や天井には化学物質の分解に優れた漆喰を使いました。徹底した自然素材へのこだわりが住空間の空気を爽やかに変え、健康的で安心できる日々の暮らしにもつながっています。
「家族が過ごすリビングを広く」という、ご夫婦の要望に応える工夫も見逃せません。吹き抜けに加え、あえて低め(2500㎜)の梁で横への広がりを生み、数値以上のゆとりを感じさせるプランに。梁と同じ高さに間口をそろえることで開放感もアップ。また、光と風と景色を取り入れる窓の配置と深い軒で、冷暖房機器だけに頼らないパッシブ性能まで持たせました。目指したのは、日だまりができる森の中にいるようなくつろぎです。
当社のモットーは「空気のおいしい住まいづくり」。音響熟成木材や自然素材のみで作られた幻の漆喰といった確かな素材を採用しています。収納家具や建具も基本はニーズに応じた作り付け。T様邸の食器棚は小柄な奥様に合わせて高さや形を工夫。階段の蹴上も子どもでも昇降しやすい高さにするなど、暮らしやすさの提案もお任せください。