プロがオススメする最新の建築事例です
旧家の風情を活かすリノベが 心豊かな暮らしをもたらす
懐かしさを感じる里山の風景に、凛とした存在感を放つM邸。墨色をまとう板壁と漆喰仕上げの美しいコントラストが目を奪います。加えて特長的なのが東西に長いデザイン。もともとは奥様の祖父母の家で、母屋と厩舎(きゅうしゃ)をつなげて改築したものでした。幼い頃から大好きな場所だった古い家を、リノベーションして住み継ぐことを決めた奥様。強い思いが粋の家との出合いへと導いたのです。
同社は、自然素材や手仕事による住まいづくりを提案するビルダー。古民家再生も多く手掛け、知識や実績を積み上げてきました。M邸では既存の造りを活かし、生活しやすさはもちろん、暮らしに彩りを与える個性豊かな間取りを実現しています。
中でも見逃せないのがリビング。それまで天井板で隠れていた梁をダイナミックに現わして吹き抜けの大空間に。床はスギの無垢材、内壁は漆喰を採用。季節を問わずさらりとした空気やぬくもりのある足触りが魅力で、その心地よさを語るご主人の姿は、過去に古民家反対を唱えていたとは思えません。家族の愛情を受け、これからさらに味わいを深めていくM邸です。
M様邸は築60年以上経つ建物をリノベーションした物件。随所に補強を入れつつ、快適&安心に過ごせる住まいに仕上げました。昔ながらの手刻みができる大工の協力を得たり、造作建具や残された鬼瓦などをアクセントにしたりしてノスタルジックな風情を表現。厩舎の小屋裏を中2階にする造りで、ゆとりある生活空間も生み出しています。