My Life Style
Sumikaの巻頭特集
暮らすように旅をする -noiro noshima-

瑞々しい陽光と涼やかな潮風を受けて、ふた棟の旅の棲み家が佇んでいる。
『noiro noshima』で過ごす、 無垢で自在で自由なひととき。暮らしと旅の狭間で、特別な時間と空間に身をまかせる。

写真と文・高比良有城
海辺の集落の中に佇む『noiro noshima』。広がりのある平屋建ての棟と、のびやかな2階建ての棟が寄り添うように並び、海に向かって大きな窓を広げている。
ここは太平洋に面した静かな集落・野島。国道をひとつ隔てた先には大きな海原がどこまでも続き、満ち引きを繰り返す波が幾重にも連なる奇岩群の上を寄せては返す。
海辺の貸別荘『noiro noshima』を運営するのは、『株式会社南九州プロジェクト』。「地域・人・モノをつなぎ、社会に貢献する」という理念のもと、地域資源を最大限に活用。宿泊業、食品、観光マーケティング、デザイン制作など多方面にわたって地域の魅力を発信し続けている。


「noiro noshima』の開業は2023年。「ここにしかない空間、風景、時間の流れ」を多くの人に届けたいと、自然と人の営みが美しく調和する野島の地に貸別荘をオープン。
「noiro」という屋号には「色、彩り」という意味も含まれ、「滞在者それぞれの自由なカラーで旅を楽しんでほしい」というメッセージが込められている。
暮らすように旅をし、旅をするように暮らす自在で自由なひととき。日常と非日常の境界線を行き来しながら、居心地と居住まいの素晴らしさを体感することができる。


平屋造りの『noiro1』は、最大10名での利用が可能。
吹き抜けのリビングに、隠れ家のようなロフト、離れの寝室など居心地のいい場所がさまざまに配置され、大人も子どもも一緒になって旅の棲家を満喫できる空間となっている。
母屋と離れをつなぐ屋根付きの屋外テラスは、陽射しの強い日中や雨の日でも快適に過ごすことができる第2のリビング。海風が通り抜けるアウトドアリビングとして、食事やBBQを楽しむことができる(BBQや焚き火の設備は繋っており、食材の持ち込みだけで気軽に利用可能)。
設計は、東京と宮崎の二拠点を中心にさまざまなタイプの建築を手がける『山田伸彦建築設計事務所』。風景や場所の特別感を最大限に享受しながら、町並みや暮らしにしつくりと馴染む普遍性と親和性のあるプランを実現した。

『noiro2』は、最大8名での利用が可能。
1階は個室の寝室と座敷があり、座敷からは庭のBBQテラスヘと出ることができる。
階段を上がると見えるのは、太平洋の青い海と高い空。5角形の大きな窓は朝一番のキラキラとした朝日を受け、夜には満天の星空をダイナミックにフレーミング。テラスは1間半の奥行きがあり、袖壁と深い軒が造り出したメガホン状の空間が特徴。
LDKとテラスがシームレスにつながる、伸びやかでリズミカルな設計の『noiro2」は、座敷、リビング、キッチン、テラスのどこに居ても外とのつながりを感じることができる。


特別感のある時間と空間をまといつつ、グレーの塗装で統一された旅の棲み家『noiro noshima』。
並んだふたつの棟は、野島の風景の一部として今日も旅人を迎えている。
まるで我が家のように(あるいは特別感に満ちた別荘のように)過ごした時間と空間は、忘れられない旅の思い出。
チェックアウトにむけた荷造りと合わせて、キッチンやリビング、ベッドルーム、トイレなどを(感謝の気持ちを込めながら)整頓をして回る。
電気を消して扉のキーを閉めたら、また新しい日々のスタート。

暮らすように旅をする『noiro noshima』の休日。
旅と暮らし、そして日常と非日常の狭間で体感した様々な驚きや感動が、きっと明日からの暮らしに役立つはず。
「自宅に帰ったらまずは模様替え」「グリーンを買って部屋に飾ろう」「気分があがるキッチン用具を揃えよう」などいろんな思いやアイデアが頭に浮かんでくる。明日からの暮らしが、もっと自分らしくなりそうだ。
※こちらの記事は2025年に発行された「住まいの雑誌Sumika 17号」に掲載された特集を再編集したものです。内容は取材当時のものとなります。