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築100年の民家を活かし 古民家カフェ風にリノベーション
大正時代に建てられた民家のリノベーションに踏み切ったKさんご夫婦。テーマは、同居するおばあ様に優しい住まいです。車いすや歩行器で移動できるバリアフリーと、動きやすい幅を徹底。細かく区切られていた昔ながらの和室は広々としたLDKへと間取りを変え、回遊しやすい動線配慮がスムーズな生活をサポートします。
K邸では使える木材などはそのまま残し、その魅力を前面に出しました。一番のポイントは、天井を剥がし、隠れていた梁を見せたこと。頑丈な梁は表に出すことによって十分な存在感を発揮し、住まい全体を落ち着いた雰囲気に包んでくれます。また、障子などの建具も合板や樹脂板に張り替えて再利用し、欄間も飾り壁として活用。古民家だったからこその設えが光ります。
ご夫婦のお気に入りは吹き抜け。大胆に現した梁、漁師だったおじい様の船の舵(かじ)を飾った壁、気品ある欄間、和テイストの照明など。時代を超えて住み継がれてきた歴史を感じられる空間は、多くの古民家再生を手掛けてきた岩切建設の真骨頂です。これから先もKさん一家にとって、穏やかに過ごせる大切な場所になるでしょう。
築100年の民家には、良いところと変えなくてはいけないところがあります。良いところは立派な木材。頑丈で風合いがあるため、住まいの雰囲気を落ち着かせてくれ温かみもあります。使っていない小屋裏物置と断熱性は変更した方がいいため、天井を上げ、サッシや断熱材もしっかりとしたものを施工。併せて耐震補強を行いました。K様の受け継いだ家に対する思いと設計管理をされたN'sアーキテクトさんの意見を織り交ぜ、唯一無二の古民家に生まれ変わりました。