My Life Style
THE BRITISH GARDEN SINCE 1999
ロビン・ウィリアムスの庭
<Sumika 11号>
イギリスのトップガーデンデザイナー、ロビン・ウィリアムス氏の設計・監修により造られた英国式庭園。四季折々の庭と本場の紅茶を愉しむ空間で、日々の営みに繋がる“暮らしのコツとヒント”に出逢った。
英国式の空間と時間を
私らしく愛で、愉しむ
季節や時間、天候などによって様々な表情を魅せる英国式庭園。1999年にイギリスのトップガーデンデザイナーであるロビン・ウィリアム氏がデザインした庭園で、イギリスを代表する4つの本格的なガーデンで構成されています。また、庭園の中心に建つガーデンハウスは、外壁の4面それぞれを4つの庭に合わせてデザインされ、庭と建物がひとつの風景としてしっくりと馴染んでいます。
「フォーマルガーデン」は、イタリアやフランスの影響を受けた整形式の庭園。庭には装飾性の高い石造りの彫刻や、豊かな水をたたえる噴水、整えられた芝生が直線的に配置され、ベンチに腰かけて庭を眺めればまるで英国の貴族になったかのよう。格式と気品にあふれるトラディショナルな庭園となっています。
「コテージガーデン」は、イギリスの田園風景の中によく見られる庭。レンガ敷きの通路、菜園、水汲みの井戸、納屋など、暮らしに密着した庭をイメージしています。花を摘んで部屋に飾ったり、食卓を彩る野菜を育てたり、ブルーベリーやサクランボの実を収穫したりと、自然と共にある豊かな田園生活を表現しています。
「メドゥガーデン」は、イギリスの牧草地帯をイメージし、松林と池を活かした牧歌的なワイルドガーデン。庭に面した壁はロンドン郊外のコッツウォルズで採れる石を使用し、飴色の石壁に木漏れ日が揺れています。静かに草を食む羊は、チェルシーフラワーショーで金賞を獲ったアーティストの金網細工です。
「シーサイドガーデン」は、海辺の町の強い陽射しや潮風に負けない植物(砂浜に似合うローズマリーや、乾燥に強いアガパンサス)を使った庭が特徴。日本と同じく海に囲まれた島国ならではの庭の仔まい。建物の壁にはイギリスのブライトン地方で採れた自然石を使っています。
松林に囲まれた静かな場所に広がる英国式庭園には、古き良き時代のイギリスの時間と空気が漂っています。ひとしきり庭の散策を愉しんだら、ガーデンハウスカフェでのんびりとしたひと時を。カフェでは珈琲、紅茶、軽食、アフタヌーンティーセットなどをいただくことができます。中でも「ゴールデンルール」と呼ばれる美味しい紅茶の滝れ方に沿って注ぐ紅茶の香りと味は別格。イギリスの老舗ウェッジウッドのカップやソーサーは白を基調とし、紅茶の色合いを愉しむことができます。
スタッフの福留良子さんは、日本紅茶協会公認のティーインストラクター。英国式庭園が持つ竹まいと空気感に魅かれた一人で、「豊かな時間のお供をしたい」と珈琲や紅茶について学び、空間のしつらえやインテリアコーディネートも、すべてはゲストをもてなすための心づかいです。店内に目をやると、あちらこちらにノルウェーの森の妖精トロールの姿が。その数は全部で9体。トロールの居場所はときどき変わるそうなので、訪れる度に9体のトロール探しを楽しむことも。
凛として清々しい居住まいと居心地に包まれる、英国式庭園のひととき。本棚にはガーデングやイギリスのライフスタイルに関する書籍が並び、ページをめくれば遥か彼方の英国の世界にすっと誘われます。
花のシーズンは春と秋、晴れの日に陽光をいつばいに浴び、青空へ向かって伸びやかに咲く花々が迎えてくれます。とはいえ、しっとりと雫に濡れる雨の8の庭園もまた美しいもの。カフェの常連さんの中には、あえて雨の日を選んで訪れる方もいるのだとか。冬には薪ストーブにゆらめく赤い炎が、心と体を暖めてくれます。
英国式庭園ガーデンハウスカフェ
宮崎市山崎町浜山414-1(国際海浜エントランスプラザ内)
https://mppf.or.jp/entrance_plaza/
ロビン・ウィリアムスの庭 Sumika 11号号