プロがオススメする最新の建築事例です
暮らしの中心に空間を足して ゆとりと楽しさを広げる
M図建築工房が2021年から始動させた『岡の小道』プロジェクト。このプロジェクトは、四つの家族が季節を感じられる小道を共有しながら日々を楽しむ暮らしをイメージして計画されました。区画ごとに個性あふれる住まいを提案しており、T邸はその中の一棟。「tasutasu no ie」というタイトルが付いています。
T邸は延床面積約28坪というコンパクトな平屋造り。LDKを中心に据え、各空間を隣接させる間取りと動線配慮で利便性を高めました。タイトルにある〝tasu(足す)〟が表しているのは、吹き抜けやフリースペース(ゆくゆくは子供室へ)などのこと。多くの時間を過ごすLDKに多彩な空間を足して、さらにゆったりとした多機能スペースに整えているのです。
土地探しから始めたTさんご夫婦は、住まいづくりのパートナーを探す過程で『岡の小道』に興味を持ったと言います。共働き+子育て真っ最中の現状を踏まえ、家事の時短がかなう工夫も。特筆したいのは、主寝室からファミリークロークを通って水回りに抜ける動線。慌ただしい毎日に、ちょっとしたゆとりを生んでくれるはずです。
T様邸は『岡の小道』プロジェクトの最終ピース。残り一区画というタイミングで出合い、住民の一員となってもらいました。「tasutasu no ie」はその名の通り、空間や機能をLDKにプラスして家族の居心地の良さや家事効率を高めたもの。シンプルかつフレキシブルな平屋プランなので、子どもが独立した後の夫婦暮らしでも無駄がありません。